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HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は都合の良い概念か?

今日、NHKニュースの情報コーナーで、HSP(Highly sensitive person)のことが紹介されておりましたが、公認心理師としてはちょっと気になりましたので、備忘録を。

 HSP(Highly sensitive person)ってなんだ?

ハイリー・センシティブ・パーソン(英: Highly sensitive person, HSP)とは、生まれつきの特性として、高度(あるいは極端に敏感)な感受性を持つ人のことであり、子どもであればHSC(Highly sensitive child)と呼ばれることもあります。

 この概念を紹介した本がちまたで売れ行きを伸ばしており、じわじわと広まっているのですが、あれこれと気になることがあるのです。

 今日NHKで紹介されていた論調は、『感覚的に敏感で刺激を受けやすく、物の配置や順番などに拘りがあったり、大きな音や臭いなど普通の人が気にならないことが気になったり対人関係で傷つきやすい特徴があるが、発達障害ではない』というものでしたが、この数々の特徴はまさしく“発達障害”のものであり、わざわざ新しいHSPなんていうカテゴリーを作らなくても良いのでは、という意見もあるのです。

 HSPという用語は既にウィキペディアにも載っており、そこには『人口の15~20%を占める』ともあるのですが、同じくウィキペディアに記載の“発達障害”の説明では、『アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、3-17歳児童の約17%について発達障害があり…』とあるのです・・・。HSPと、発達障害を全く別個のものとするならば、併せて32~37%がHSPもしくは発達障害、ということになり、確率的にもかなり無理がある(多すぎる)ように思われます。やはりこれらの概念は“重なり合う”と捉えるべきか、あるいは発達障害をさらに広く捉えた概念とも考えられるわけです。

泣くピエロのイラスト

まんざら悪い概念でもない?

 ただし、発達障害“障害”という言葉の響きを嫌がったり、診断が付くことで傷つく人もたくさんいるわけで、ならば“HSP”という新たな概念が広まることも、当事者にとってはまんざら悪いことでもないような気もするのです。

 “差しりがあってがある”という字面は、よく福祉や医療の業界ではその問題が指摘されてきており、団体によっては“障碍”という字を使ったり“障がい”と記載したりと、工夫しているわけですが、これもなんだか根本的な解決にはなっていない不自然な印象を受けるのでした。

 そもそもの英語の診断名を日本語にする際、“障害”としていたものを“症”と変える動きもあったのですが、現場では今ひとつ広まっていないようです。特に精神科領域の診断名は、ICDやDSMという国際的な基準があるのですが、たとえば“学習障害”を“学習症”とするなどの表記は医療の領域でもピンときていない印象です。

 有名どころでは、“自閉症スペクトラム障害”は“自閉スペクトラム症”と改めることになっているのですが、今だに混在して使われております。

 さて、話題をHSPに戻すと、発達障害自閉スペクトラム症などとの違いを主張する論調の中に『HSPは発達障害のように空気が読めないタイプでは無く、むしろ敏感に空気を読んでしまうために傷つき苦しんでいる人のことであり配慮が必要なのだ』というものが多く、これに同調した人の中には『これを理解できない人は立場の弱い人への配慮に欠ける』『HSPを理解して支援すべき』、さらには『HSPは私のことだ!』との訴えも増えているようです。ここにどうしても感情的なものが混ざってきてしまうのは仕方の無いことですが、いずれにせよHSP(あるいはHSC)は現時点では正式な診断名ではありません。新たな概念によって誰かの気持ちが楽になったり元気づけられるのであれば良いのですが、これが自分本位の強すぎる主張になることには注意が必要かもしれません。

人形を抱く心に闇を抱えた人のイラスト

 

 わざわざ“HSP”と言わなくても『感受性が豊か』で良いのではないでしょうか?

 感受性が豊かな人は、“傷つきやすかったり” “自己肯定感が低くなりがちだったり” するもんです。

 また、子どもの頃からの家庭環境による影響によるものまで“HSP”に含めてしまうと、なんだか整理の付かないことになりそうです。

 

 ここまで述べておきながら、『私自身も実はHSPなんです』って言ってみたくなったりする・・・

 

 都合のよい使われ方や間違った使われ方には気をつけるようにします。

 

 手を合わせて謝っている人のイラスト(男性)

  

 

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